第28章 前世と現世の自分〖冨岡義勇〗⚠R18 現パロ
まさかこんな展開になるとは思わず
動揺してしまう
「おまたせ」
「ありがとうございます」
コーヒーを一口飲み
先程までの楽しさとはいっぺん
静かな時間が流れる
「俺の名前は冨岡義勇だ。好きな食べ物は鮭大根」
突然口を開くと自己紹介を始めた
空気を変えようという義勇の優しさ
「(鮭大根、まだ好きだったんだ…)」
「君の名前も聞いてもいいか?」
「あっ!神雛ひなのです」
「…」
「義勇さん?」
ひなのに名前を呼ばれた瞬間
ピクっと反応し無言になる義勇
「…俺は今から変なことを言ってしまうかもしれない」
「え…?」
「いつも同じ夢を見るんだ、黒い服を着た女が目の前で刺され死んでいく、いつも守れないんだ…その名前がひなの…」
頭を抱え、痛そうに顔をしかめる
「ずっと、夢のようで夢じゃないようで…でも現実にはありえないことだ…
すまない…変なことを言った」
と言われた瞬間
抱きついた
「義勇さん…義勇さん…ごめんなさい…本当にごめんなさい」
泣きながら抱きつくひなのに
驚く義勇、しかし無意識に彼女を抱きしめ
背中を摩っていた
「…現実なのか?この夢は」
「私鮮明に覚えているんです。
義勇さんの夢の話」
さらに驚く義勇
「聞いてもいいか?」
コクンとひなのは頷いた