第4章 霞
サスケがあの大蛇丸に呪印をつけられた。
二次試験が終わってから、すぐに治療や解術に当たったがすべて力不足、無駄に終わった。
しかし彼ももう下忍となって、中忍試験を受けている身だ。
このような事件(かなり特例)は付き物であるのは、自身が忍者の端くれであるからこそ分かっていることだった。
目覚めるまでずっと側に居たし、時間が許す限り話しかけ続けた。
目が覚めると見慣れない天井だった。
自分が眠っていたことも瞬時理解できた。
なにか右側に重みを感じ、寝起きで動きにくい体を動かしそちらを見てみれば、最近は会えていなかった大好きな人がそこにいた。
サスケ「雪華…」
雪華「ん‥‥さ、すけ?」
うたた寝をしていたようで、名を呼んでみれば目をこすりながら体を起こし、こちらをまっすぐと見つめて、名を呼び返してくれた。
雪華「起きたの?だいじょうぶ?」
少し声が震えているように感じた。伸びてくる手が頬を触り、髪を撫で、目覚めを確認してくる。
サスケ「問題ない…」
雪華「よかった…」
少し目元に影がある、目も赤くなっている。心配、させてしまった。
サスケ「…すまなかった」
雪華「いいの、サスケだって忍だから…」
無作為に撫でていた手が、優しく撫でてくれる。
雪華「どうする?一か月で三次試験だけど‥‥」
サスケ「修行する、カカシはどこだ…」
雪華「やっぱり修行、するよね…わかった。」
サスケ「・・・止めないのか」
てっきり止められるかと思っていた。
雪華「止めないよ。言ったでしょ?もうサスケは忍なんだから。私はあなたの決めた事を妨げないよ」
サスケ「そうか。」
なぜか、俺に言っているようで、言っていないように感じだ。どこかその瞳は俺の後ろの、誰かに言っているような感じがした。
雪華「カカシさんなら崖当たりにいるんじゃないかな。大蛇丸を前にして自分の弱さを再確認したって言ってたから」
サスケ「そうか…分かった、ありがとう。」