第6章 天
薄暗い洞窟を走って、入り口で感じたチャクラに近寄れば、明るい光が見えた。
眩しくて目を細めよく見てみれば、サスケと…髪の長い、見覚えのある顔がいた。
「ずっと、お前を愛している」
そういってくれた、過去の記憶が脳内で再生されて、声の主が、目の前の後ろ姿が誰なのかがすぐに分かった。
イタチだ。
会えた、もう二度と会えると思っていなかったその人が、目の前にいる。
雪華「イタチ?イタチ!!」
駆けて、叫んだ声は、二人に届いていて、消えそうなイタチはこちらを向いて微笑んでいた。
イタチ「…やはりお前だったか。会いたかった、雪華。お前を最後に見る事が出来て、俺は幸せ者だな」
優しいその笑顔と声は私の長年思っていた、伝えたかった言葉を引き出させる。
雪華「い、やだ!もうおいて行かないで!寂しいよ!一人なのは嫌だよ!」
イタチ「すまない。」
そう言ってイタチは頬から流れる私の涙に口づけをしてくれた。暖かい感触に、心が心臓がぎゅっと締め付けられる。
雪華「話したい事も、やりたい事も、沢山、あるの!わたし、もう、一人に、なるのは、、いやだよ!」
イタチ「…すまない」
その時、イタチの周りで光っていた白光は、なぜか消えた。
その白い光は今のイタチの現状である穢土転生が解術されたことを示すのだろうが…光が消えるとはどういうことなのだろうか。
そして、瞬く間にイタチは黄金の赤と漆黒の青に光染まった。
イタチ「どういうことだ?」
雪華「いたち?」
そして、天に昇るはずのイタチの体は地上へと足を戻した。触れてみれば体の感触は生身の人その者だった。
イタチ「人間、の、からだ?」
サスケ「兄さん?」
雪華「え、?」