第5章 光
雪華「(えーと、秘薬の研究許可ね…忙しいんだしそれ以外の事でも良くないかな…)」
火影室の前に立つと中から荒ただしい声が聞こえた。
綱手様とカカシさんの声が聞こえた。
聞き耳を立てれば話の内容は聞こえてしまった。
綱「確かなんだな…」
カ「ええ、イタチとも遭遇しましたし…彼も言ってましたから」
綱「では各員に伝えさせよう。」
カ「彼女にもですか」
綱「ああ、致し方ない。…うちはイタチは死んだと。」
目の前が、真っ暗になった。
手は扉を開けていて、中に入ってカカシさんの胸ぐらをつかんで叫んでいた。体と頭がぐちゃぐちゃになっていた。
雪華「どういうことですか!?今の、今の言葉はうそ、でしょ?嘘だって、いって、く、ださいよ!」
涙は止まらないし、言葉が震える。頭の中の言葉が止まらなくなって、それなのに、言葉は出しづらくて。
雪華「おねがい、だから、、」
カカシさんの胸に訴えかけるように頭で小突いてそのままへたり込んでしまう。
涙を拭っても、止まらなくて、どんどんどんどん彼との記憶が、彼の笑顔が頭の中を埋め尽くしていくから、もう、訳が分からなくなる。
カカシ「雪華、今の話聞いていたのか…」
雪華「ぅ、ぐ、うっ、いた、ち、、」
綱手「…いずれこいつの耳にも入る話だ…ウソ偽りなく話してやることがこいつへの義務だ。カカシ」
カカシ「はい…雪華、少し話そう。立てるか?」
雪華「や、いや、だよぉ、イタチぃ…」
カカシさんは泣きじゃくる私を抱き上げる。
私はそのことにも気づいていないで泣き続けた。
愛しい人の名を呼び続けて。