第2章 想い想われ波乱万丈(桜月かりん様リクエスト作品)
「た、ただいま・・・」
任務を終え蝶屋敷に戻った善逸は、疲れ切った声で帰ってきたことを告げた。
「禰豆子ちゃ~ん・・・今帰ったよ~」
しかし禰豆子への(少し邪な)想いを口にすることは話ずれず、善逸は禰豆子の名を呼びながら玄関口へと向かった。
が、誰かの声がして善逸は足を止める。
そこには一組の男女がおり、女の方は善逸もよく知っている同期の少女、大海原汐。
男の方は一度だけだが遠目で見た水柱・冨岡義勇だった。
義勇がいること自体驚くことだが、その後彼が口にした言葉に善逸は目玉が飛び出る程驚いた。
「もうお前しかいない。俺と付き合ってくれ」
その言葉に汐は目を見開き、明らかな驚愕の表情を見せていた。そんな彼女に構うことなく義勇は汐の手を取ると、そのままこちらに向かってくる。
善逸は慌てて物陰に隠れると、二人は善逸に気づくことなくそのまま屋敷を出て行った。
残された善逸は真っ青な顔で、炭治郎の名を呼びながら屋敷の中へ飛び込んでいった。