第1章 節分ってなあに?(節分特別編)
「鬼は外!!福は内!!」
高らかに響く声と、豆をまく音が辺りに響き渡り、それから明るい笑い声が聞こえてくる。
今日は二月三日の節分ということで、汐達はしのぶの許可をもらい蝶屋敷で豆まきをすることになったのだ。
「鬼は外!福は内!!」
楽しそうに笑いながら豆をまくみんなを見て、伊之助は怪訝そうな顔でぽつりと言った。
「なあ、鬼は外っていうけどよ。鬼ならここにいるじゃねぇの?」
そう言って彼は禰豆子を指さすが、その瞬間。すさまじい勢いで汐と善逸が伊之助の眼前に迫った。
「お前何考えてんの?自分の言ったことわかって言ってんのか?」
「禰豆子に豆をぶつける?ふざけたこと抜かしてんじゃねーわよ。一遍死んで来い」
「二人とも落ち着けって言いたいけれど、今回ばかりは二人に同感だ」
いつもなら二人を諫める炭治郎ですら、額に青筋を浮かべて伊之助を睨んでいた。
そんな中、なほ、きよ、すみが何かをもって汐達の元へやってきた。
「汐さん、例のものが届きましたよ」
なほはそう言ってきよとすみと共にちゃぶ台の上に何かを置く。それは、海苔で巻かれたとても太い巻き寿司だった。