第1章 プロローグ
遠い…遠い記憶
幼い頃の記憶
まだ今でも鮮明に蘇るその記憶には絶対にあの人がいた。白い髪をなびかせ、憂いを帯びた紫色の瞳で真っ直ぐ俺をみていた。
『ねぇ…ボクは化け物なの?』
『…?どうした?なぜそんなことを聞く?』
『ボクの友達が言うんだ…「お前は化け物だから変なモノがみえるんだ!」って…』
『ほぅ…。この私を変なモノとは無礼な奴だ。』
『どうして皆にはシロがみえないのかな?』
『それはな…お前は特別な人の子で、友達は特別な人の子ではないからだ。』
『…そうなんだ。特別はうれしい。…けど友達に嫌われるのは嫌だな…』
『…大丈夫だ。いずれ私は見えなくなる。』
『え!?シロ、どこかに行っちゃうの?』
『そうじゃない…時が…時がくるんだ…』
『イヤだ…。シロがいなくなるのは…イヤだ!!』
『…ならば一緒にくるか?』
『…え?』
『いや…すぐにとは言わん。もし良かったら…そうだな…お前、今何才だ?』
『えっと…。7才。』
『なら16になった日。16才の誕生日にお前を迎えにいってやる。…どうだ?』
『うん!迎えにきて!』
『そうか…約束できるか?』
『うん。』
『なら約束の印だ。』
『え?……んっ!?』
シロは…僕の首筋にキスをした。
『シロ!?なっなにすんだよ//////』
『約束の印だ。其れはお前と私とを繋ぐ約束の証だ。』
『赤くなっちゃってる!?母さんにバレたらどーすんだよ!』
『平気だ。お前以外には見えない。』
『そうなの?』
『ああ。私は嘘は言わん。必ずお前が16になる日に迎えにいく。』
『うん。待ってるね。』
『ああ。…おっもうこんな時間か…。』
『えっ!?母さんにおこられる!』
『なら、早く帰れ。』
『うん!じゃあね。シロ!』
『ああ。…んっ?…そういえばお前の名は?聞いていなかったな。』
『えっ?あっ!そだね。僕は桜木要だよ!』
『「かなめ」だな。わかった。…引き止めてすまなかった。早く帰れ。』
『うん!バイバーイ!』
『ああ。また…』
でも、次の日からシロはいなくなった。
どこを捜しても見つからなかった。
残ったのはシロのキスした跡、約束の証だけだった。
そして今年、俺は16才になる。
だが、あの頃の素直さの欠片もない俺は絶対にシロがくるわけないと思っていた。
絶対に…