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【刀剣乱舞 R18】クロユリを食む

第6章 身だしなみは誰かの為に


「上等もんやねぇ。こりゃ、結城紬じゃなか?流石、結城んお坊っちゃんの見立!」


御手杵様が着付けて下さった着物は、私が着ていたものとは別のもの。

綺麗なうす緑色の着物。
帯もとてもきらびやかなもの。

この着物を私に下さると言う。


「当たり前だろ」


博多様が仰った結城紬というものが何かは知らないけれど、審神者様に与えられたものとは明らかに肌触りが違う。


勿論、決して審神者様に文句を言いたい訳ではないけれど…


「御手杵様…このようなものを頂くわけには…」

私は男士様達にプレゼントを貰える様な立場には無い…。
しかも、こんなに高価な物を…。

おそれ多いと胸の内を口にすると、

「何言ってんだよ。あんたが着てくれなきゃ無駄になるだろ?気にせず受け取ってくれよ」

御手杵様が口を尖らせた。


「ですが…私なんかが…」

たまらず下を向いた。

暫く沈黙があって…

「あぁー!」
また、先程と同じ様にガシガシと頭を掻く御手杵様。

「わかったよ。俺があんたに着せたい。着てるあんたを見たい。それならいいか?」

腰を屈め、グイと私の顔を除き込む。

「それを着て、今日1日俺の隣に居てくれればいい。俺の為に着てくれ。それならいいだろ?」

「…はい」

ここまで言われては頷くしかなかった。


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