• テキストサイズ

【刀剣乱舞 R18】クロユリを食む

第1章 純白の衣


「此れをもらう」

男性はそう言った。

『此れ』と呼ばれた事に、今後、人間として扱われる事等無いと理解する。


「承知いたしました。すぐに手配致します」

役所の人が頭を下げる。

そして…

「生娘である事を確認致しますか?」

と、問うた。

『生娘』

様は男性との経験があるかどうか?
端的に言えば処女であるかどうか?を確認すると言っている。

確認とは何をするというのか?

私は高校生だ。

そりゃ、そっち方面の話が友人同士で出ないわけではない。
もう経験済みだったりする子もいる。

でも…私は、彼氏も居たことも無い。

経験なんて無い…。

【怖い】

ただ、ただ、そう思った。


今から何をされるのか分からない恐怖に、頭がまっ白で思考が止まる。



目の前の男性は首を横に振っていた。


「しかし、審神者様や男士に差し出すとなると生娘の方が…」

「確かにその方が値打ちが上がるが、年端も行かぬ娘で、見たかぎり世間知らずの嬢ちゃんだ。さして経験もなかろう…。気に止める事もない」

「承知致しました。それでは、そのままお持ちください。ここにサインを。これ以上のお手続きは不要で御座います」


目の前に交わされる会話を、

万年筆を持つ男性の手元を、

ただ、ただ、他人事の様に眺めていた。
/ 62ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp