• テキストサイズ

【刀剣乱舞 R18】クロユリを食む

第2章 本丸


「彩?大丈夫か?」

先程から頭を撫で続ける審神者様が、私に問いかける。

ハジメテのあの時とは違う、優しく丁寧な手つきだ。

未だ息は上がったままだが、コクコクと頷いた。


「うちの男士達に乱暴されたか?何かされたか?」


「い、いいえ。大丈夫…です」


そりゃ、手荒い方も居たけれど、手を挙げられたりした事などはない。


「そっか、なら良かった。彩に無体を働いたら解刀だと言ってある」

「…解刀?」


その言葉の意味がわからず、私は首を傾げた。

この本丸にはわからない事だらけだ。

歴史?しゅうせいしゅぎしゃ?

時間?さ?そ?こうぐん?

けびいし?


耳から入ってくるだけの言葉なのでこの言葉が合っているのかも、その意味もわからないけれど、そんな言葉が日々飛び交っている。


「解刀は処分するって事だよ。それにしても、すっかり慣らされちゃって。誰か気に入った奴とか居ない?なぁ、こう仕込んだのはどの刀?誰とどんな事したのか、一人ずつ話してみ?」


「話す…んですか?」


「そう、これからの生活に関わる大事な事なんだよ。ほら、話してみ?」


促されるまま、私はこの1ヶ月の出来事をポツリポツリと口にする。

/ 62ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp