第3章 世界で一番お姫様-始まり-/ ♥
「また、お前を抱きたくなった」
「え、でも……っ」
「もう少しだけ……な?」
「……秀吉さんったら、困った人だね」
「仕方ないだろ?」
────お前は俺だけのお姫様だから
何度だって愛してやりたくなるんだよ
求めるがままに、絡み合って
ぴったり隙間なく身体を重ね合って……
また熱を分け合っていく。
誰もいない、二人だけの世界で
甘い甘い蜜な時間に溶ける程に。
私達は朝明けの薄暗い空気を、また鮮やかに染めながら、何度もお互いの熱に溺れていった。
言葉だけじゃ足りないから。
指で、唇で、全身で想いを伝えてく。
貴方だけのお姫様でいられるように…
もっともっと貴方を愛していくよ。
想いは薄紅から、深紅に変わる。
花が芽吹いて、やがて花弁を開くように、
そう、私も───………
貴方だけのために、
純で艶やかに咲き誇る。
世界で一番お姫様-始まり-
了