第2章 1STMission
顔を洗い、リビングに戻ると
テーブルの上にはとても豪華な朝ご飯が並んでいた
焼きたてのトーストにベーコンエッグ、温かいミルク
それだけでも完璧なのにデザートのヨーグルトまでついていた
「さぁ、席について」
椅子に座り、手を合わせる
誰かが作ってくれたご飯なんて何か月振りだろうか
温かいミルクを飲むと、ほんのり甘い味がした
はちみつを入れてくれたのだろう
は思わず微笑んだ
真向かいに座っているおついちさんはコーヒーを片手に新聞を読んでいる。
こちらの視線に気が付いたのか、新聞を置き
「ミルク、熱かった?」
とたずねてきた
「大丈夫です。そうじゃなくて、誰かが作ってくれた朝ご飯なんて久しぶりで…」
「そう。……ねぇ、ちゃん。昨晩は僕たちのことしか話していなくて、貴女のことを全然聞けてないから……話せるところだけ、教えてくれないかい?」
すこし、緊張してしまう
「……はい。」
「じゃあ、まず一つ目ね。貴女はいくつ?」
「8歳です」
「8歳!?それにしてはずいぶん大人びてるね!?」
「全部、お母さんが教えてくれたんです。」
「そっか。じゃあ次、好きな食べ物は?」
「オムライスです」
彼との、他愛のない会話が続く
前に通っていた学校では何をしていたのかとか
趣味とか、得意なこととか
とにかく、私自身のことをいっぱい聞かれた。
話をしながらもおいしいご飯はしっかりと平らげた
ごちそうさまでした。と手を合わせる
「お粗末様でした。それじゃあ、最初の仕事をお願いするね」
「はい。何をすればいいですか?」
「兄者たちを起こしてきてくれる?」
てっきり洗い物を任されるのかと思ったが、違ったらしい
「わかりました」
少し高い椅子からぴょんっと飛び降りて兄者さんがいる部屋へと向かった