第2章 1STMission
チュンチュンと小鳥のさえずりに起こされる
目を開けると、誰かが隣で寝ていることに驚き
飛び起きた
が、その人物が弟者であることに気が付き
は安堵した
「そうだ、昨日は弟者さんと一緒に寝たんだった…」
赤い髪の彼はすやすやと寝息をたてている
起こしてはいけないと思い、そっとベットから抜け出そうとするが、あと少しというところで阻止されてしまった
昨日、おついちさんから借りたシャツがぶかぶかで弟者さんが裾を踏みつけていていたのだ
何とか服をひっぱって脱出は成功した
弟者さんの部屋を出ると、リビングからおいしそうな香りが漂ってきた。
リビングの扉を開けると
おついちさんがダイニングキッチンで料理をしていた
「おはよう。ちゃん。よく眠れた?」
コンロの火を消して、彼がこちらに近づいてくる
目の前に来ると、目を合わせやすいようにかがんでくれた。
「おはようございます。おついちさん。最初は寝付けなかったんですが、弟者さんがお歌を歌ってくれたおかげでよく眠れました」
私の話を聞いた途端、おついちさんが吹き出した。
「あの弟者が子守唄!?歌ってくれたの!?」
「は、はい……」
これは傑作だとお腹を抱えて笑う彼に
唖然としてしまう
こんなに笑う人だったんだな……
「あぁ面白かった。さ、朝ご飯にしよう」
優しい微笑みに面食らってしまい、彼の顔をじーっと見つめる
「どうしたの?」
「その…おついちさん私のことよく思ってないかと思った ので、びっくりしちゃいました。」
「あぁ、最初はそう思っていたけどね。貴女の境遇を聞いたし、顔を見たら僕も放っておけなくなっちゃった。」
「境遇……?」
「あ、ちょっと言葉が難しかったかな…?うーんと、貴女の過去のことだよ。さぁ、朝ご飯の前に顔を洗っておいで」
「……はい」
過去のこと、と言われ少しうろたえてしまったが
洗面所へ向かった。
「あんなに大人っぽくても、まだ子供なんだなぁ……」
洗面所へ向かう彼女の背に向けておついちはポツリ
つぶやいた