第1章 出会い
お父さんと、お母さんが私に笑顔を向けている。
いつも見ていた笑顔だ。
「お父さん!お母さん!」
は両親のもとへ向かおうとするが、体がうまく動かない
「待って!なんで置いてくの?まってよ!」
大声で叫ぶが、聞こえていないのかゆっくりと両親は歩き始める
追いかけようとした瞬間、目の前に炎が立ちふさがる
「待って!お父さん!お母さん!」
目を開けると見知らぬ天井が広がっていた
「あ、目が覚めた?」
声がしたほうを向くと
赤髪の男が私を見ていた。
「だ、誰?」
震えた声でそう尋ねる。
「怖がらないで…って言っても無理だよね。大丈夫ここは安全だよ」
その優しい声にふっと肩の力が抜ける
「ここは?」
「俺たちの家。君、牢屋に閉じ込められていたんだよ」
辺りを見渡してみると、自分がいたはずの薄暗い牢屋とは違い蛍光灯がちかちかと光っている
寝ていたはずの堅い床も
やわらかいベッドに変わっていた。
「君、名前は?」
「……」
「へぇ。いい名前だね。俺は弟者。もう一つ、質問してもいい?……お父さんとお母さんは?」
「……殺されちゃった」
私が発した言葉に赤髪の彼は悲しそうな顔をした。
「そうだったんだ……。」
しばらく、沈黙が続いた。
「えーっと。ちゃん。とりあえずお風呂に入ろうか。そのままじゃあ気持ち悪いよね」
立てる?と手を差し伸べてくれたので
その手につかまり何とかた立ち上がる
弟者さんにお風呂場まで案内してもらい
何か月も洗っていなかった体を洗う
お風呂から上がると、ふわふわのタオルと新しい洋服が
用意されていた。