第11章 子守唄
一通り話は終わり
部屋には彼女のすすり泣く声が響く
を膝に乗せ抱きしめていた
弟者は彼女の背を
まるで赤子をあやすかのように
トントンとリズムよく手を動かす
「ふふっ……」
と途端にが微笑んだ
「どうした?」
「悲しいことがあると、お母さんがよくこうしてくれたんです」
顔がシャツに埋まっているので
表情は見えないが、安心してくれているのだろう
「そっか。」
「少し……眠くなってきました。」
「いっぱい泣いたからね…少しお昼寝しようか」
弟者はをひょいっと持ち上げると
自分の膝の上に彼女の頭を乗せた
「ありゃ。目が真っ赤だ」
優しく彼女の眼もとに手を置く
「後で冷やさないとね。さぁ目を閉じて」
が目を閉じると子守唄が聞こえてきた
リズムよく動かされる手と
落ち着く声に
はゆっくりと
眠りに誘われた