第11章 子守唄
次の日
がリビングに降りると
兄者とおついちの姿がなかった
弟者に聞くと
2人は仕事に行ったらしい
「今日は2人でお留守番だよ」
と言われた
午前中は2人でおついちに頼まれた
家事をして、家中をピカピカにした
「おついちさん。帰ってきたら驚くなぁ」
「そうですね!」
とも意気揚々と返事をした
弟者が作ってくれた昼食を食べ終え
(昼食はチキンライスだった)
テレビを見ながらゆっくりしていると
「ちゃん。ちょっと聞いてもいいかな?」
と真面目な顔で言ってきた
「はい。なんでしょう?」
も真面目な顔でそう返す
「ちゃんの家族の話なんだけどね?」
「……はい。」
苦しそうな顔をする彼女に
「無理して話さなくてもいいからね」
と前置きしておく
「……お父さんとお母さんはどんな人だった?」
少し間が空いてから
「2人とも仕事が忙しくて……1か月に1回帰ってくるか来ないかってくらいで」
少しづつ、両親のことを話していく
気が付くと彼女の声はだんだんと震えた声に変っていた
目には大粒の涙が溢れ、落ちるたびに
弟者が涙を拭ってくれた
「そうか……そんなことが」
つらかったね
と弟者は彼女の小さな身体を抱きしめた