第4章 喧嘩するほど
部屋に入り、兄者から受け取った
紙袋の中をのぞく
中には水色のワンピースが入ってる
それは兄者が選んでくれた服だった
新品の洋服に袖を通す
弟者の部屋には鏡がないので自分で似合うかどうかは
わからなかったが
とにかく、とても嬉しかった。
「早く兄者さんたちに見せに行こうっと」
弟者の部屋を出て階段を下り
リビングへと向かう
「兄者さん!」
彼女の声に兄者が振り向く
「おっ!いいじゃん。似合ってる」
ふっと嬉しそうな笑みを浮かべた兄者にそう言われ
はなんだか照れ臭くなった
ふと、周りに視線を向けるとほかの二人がいない
「ありがとうございます…あれ?弟者さんとおついちさんは?」
「あいつらなら庭だよ」
「お庭?」
「そう。……行ってみるか?」
「はい!」