第3章 優しい手
さて、どうするかと
おついちはの顔を見た。
もまた、困ったような顔をしている。
「うーん………あ、そうだいいこと考えたちゃんちょっと待っててね」
そういうとおついちさんは2階へ上がっていった
少しすると、手にベルトを持ったおついちさんが戻ってきた
「ちょーっとごめんね。腕、あげてくれる?」
言われた通り。腕を上にあげると
洋服の裾を少し上にあげてから、私の腰にベルトを締めてくれた。
「これで、ワンピースっぽく見えるかな…?」
この間読んだ雑誌の受け売りなんだけど…
と姿見の前にを立たせる
ワンピースとは言えないが、先ほどのだぼだぼ姿よりかはだいぶマシだ。
「ありがとうございます。おついちさん」
はぺこりとお辞儀をする。
「兄者にもっとかわいい洋服買ってもらおうね」
「いえ!私、そんなおしゃれなもの、貰えないです!
命を助けてもらって、おいしいご飯まで食べさせてもらったのに大した仕事もできてなくて……!!」
うすうす、感じていた。
おついちさんが私でもできる仕事を選んでいることを
「私、こんなに良くしていただいてとても嬉しいです。
けど、これじゃあおついちさんたちに恩を返せないし、なによりお仕事の邪魔をしちゃいます…。」
ひとつひとつ考えて言葉を絞り出す
おついちさんの顔は真剣だった。
「やっぱり私……」
「この家を出ます。なんて言わないよな?」