第3章 蝶屋敷で働く私と炭治郎様の物語〜自慰編
蝶屋敷にてー。
『…はぁ…』
「もう、何回目のため息なんですか!」
『…ご、ごめんなさいっ…』
アオイさんにため息が多いと怒られてしまった。
それもそのはず、炭治郎様と恋仲になって、何度か身体も重ねて幸せが続くはずだった。
けれど炭治郎様は鬼殺隊で、任務に出れば何日も会えないのは覚悟していた。
でもこんなにも辛いものだと正直思わなかった。
最後に会ったのはいつだったかな、それすら思い出せないくらい長期間会っていなかった。
命がけの任務、無事なのかすらわからない。
そんな不安な日々を過ごしていた。
「今日は、上がっていいわ、後は私がやるからゆっくりやすみなさい!」
『…あ、ありがとうございます、アオイさん…』
アオイさんからそう言われて、私はお言葉に甘えて仕事を切り上げた。
多分、今は足手まといにしかならないから無理矢理休ませてくれたんだと思い、ますますため息が出た。
『…このままじゃいけないのに…』
自室に戻りながらそう呟く。
今日は早く寝てしまおうとご飯やらお風呂やらさっさと支度を済ませて後は寝るだけとベッドに横になった。
『…炭治郎さまっ…』
でも寝ようとすると炭治郎様のことを考えてしまう。
ふと名前を呟いたら更に会いたくなる気持ちが強くなった。
机には炭治郎様からいただいた髪飾りが置いてある。
いつの日か、俺の代わりに、と買ってくださった。
ベッドからそれを眺めながら思いにふけると同時に炭治郎様に触れたい、触れて欲しいと思う気持ちが溢れてくる。
『…っ///』
そっと自分の胸に触れた。
自分でこんなことをするなんて思いもしなかった。
恥ずかしさよりももうこの疼き始めた身体の熱を抑える方が勝っていた。