第21章 【DA】
そうこうしている内に『秘密の闇の魔術に対する防衛術』メンバーが部屋に入ってきて、全員が全員部屋の素晴らしさに驚いていた。
そして午後8時をちょっと過ぎた頃、メンバー全員が集まり、自然とハリーの言葉を待った。
「えーっと……ここが練習用に用意した場所です。皆、異論はない……みたいだね?」
ちょっと緊張気味にハリーが言った。確かに皆の表情を見る限り、この部屋で大満足のようだ。
ただ、集まったメンバー数人の目が、訝しげにクリスの顔を見て何かを訴えかけていた。何を言われるのか分かってはいたが、だからと言ってクリスの不興を買わない訳ではなかった。
「何か用か?」
「お前『ホッグズ・ヘッド』での会合の時に途中で出て行っただろう。何でここにいるんだ?」
「参加してほしいと頼まれたからだ。嫌なら出ていくぞ」
「ストップ!ここで仲たがいは止してもらおうか。クリスの言う通り彼女は僕らの希望でここにいる。嫌ならザカリアス、君が出て行ってくれ」
ハリーが強めの口調でそう言うと、ザカリアスはしぶしぶといった感じで了承した。ハリーはほかのメンバー全員の顔を見て、ほかに不満のあるやつがいないか確かめてから、話を先に進めようとした。
その矢先、ハーマイオニーが手を挙げてそれを遮った。
「なに?ハーマイオニー」
「まずはリーダーを決めるべきだと思います」
「何言ってるの?ハリーがリーダーでしょ!」
チョウがきつめの口調で呈した。みんなが「そうだ、そうだ」と口をそろえて言ったが、ハーマイオニーは「ちゃんと投票で決めるべきです」と頑なな意思を見せた。
仕方なく、形ばかりの多数決での投票を行い、全員一致でハリーがリーダーとなった。
「ありがとう。それあじゃあ、今夜はだけど――って、今度は何!?」
「チームの名前を決めたほうが良いと思います。その方が団結力も高まるし、何かあった時に秘密の暗号のようにしておけば、外部にバレないと思います」
秘密の暗号という言葉に、みんな少なからず興奮した様子を見せた。あれこれ案を出したっていたが上手い言葉が出てこず、あーだこーだ言い合っていると、チョウが鶴の一声をあげた。