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ハリー・ポッターと沈黙の天使

第19章 【toraitr】


 クリスの知識とハーマイオニーの頭脳があれば、すぐに良い場所が見つかるかとも思ったが、中々そうはいかなかった。
 なにせ20人を超す大所帯だ。それも先生方の目を盗んでやらなくてはならない。
 何故なら、誰かほかの先生にバレでもしたら、即刻アンブリッジの耳に入ると思ったからだ。そんな事になったら解散させられるのは目に見えている。

 しかし、翌日そんな事も言ってられない事態が起こった。クリスがいつも通り徹夜明けで談話室に降りていくと、興奮したハリーとロンが待っていた。

「見たか!これ!?――ホグワーツ高等尋問官令!学生による組織、団体、チーム、グループ、クラブなどは高等尋問官の許可が出ない限り一切の活動を禁ず。だってさ!!」
「きっと誰かが告げ口したんだ!」
「それはあり得ないわ」

 怒り心頭のハリーとロンに比べ、ハーマイオニーは冷静そのものだった。

「会合の時、私みんなに署名をさせたでしょう?私、あの羊皮紙に呪いをかけておいたの、誰かが告げ口したら分かるように。もし誰かが告げ口したら――その人は『痘痕もえくぼ』なんて、可愛い事は言ってられなくなるわ」

 まさか自分の知らない所で、ハーマイオニーがそんな恐ろしい事をしていたなんて。相変わらず敵に回したら、ホグワーツで右に出る者はいないくらい恐ろしい人物だとクリスは思った。

「試しに大広間に行ってみましょう。まあ大丈夫だとは思いますけど」

 ハーマイオニーに従って大広間に行くと、いつもより忙しく生徒たちがテーブルの間を行きかっていた。

 皆アンブリッジの掲示を見たらしい。クリス達がグリフィンドールのテーブルに着くと、待っていましたと言わんばかりにネビルとディーン、それにフレッドとジョージとジニーがやってきた。

「見たよな?どうする?」
「もちろんやるさ、当たり前だ」

 ハリーが決心したように言い切ると、フレッドとジョージがニヤリと笑った。

「それでこそだ」
「楽しみにしてるぜ」

 ネビルとディーンも、それを聞いて安心したのか自分たちの席に戻って行った。
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