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ハリー・ポッターと沈黙の天使

第18章 【抉られた傷跡】


 それから待つこと十数分、外がガヤガヤと騒がしくなったと思うと、扉が開いて、薄暗いパブにパッと外から明かりが差し込んだ。
 見ればホグワーツの制服を着た生徒達が何人も立っていて、その数なんと20名以上。
 殆んどはクリスも知った顔だったが、中には名前も知らない生徒が何人もいた。

「まさかとは思うけど……ハーマイオニー、これ全部?」
「ええ、そのまさかよ。流石の私も全員来るとは思ってなかったけど、どうやら皆この考えに賛同してくれたみたいね」

 ハーマイオニーはどこか興奮したように顔をほころばせた。それから椅子を何脚か持ってきて、クリス達が座るテーブルの周りに置いた。

 ハリーの右からネビル、ディーン、それからラベンダーと仲良しのパルチ姉妹。
 そしてチョウ・チャンとその友人らしき人物。そしてちょっと場違いな感じがするルーナ・ラブグッドと、その隣にはジニーも来ていた。

 それからハリーと同じクィディッチチームメイトのアリシア、アンジェリーナ、ケイティ。
 双子のフレッド、ジョージ、その親友のリーの3人組が座った。そしてその隣にハリーを尊敬しているコリン、デニス兄弟もいる。

 そしてハッフルパフのアー二ー・マクミランとジャスティン・フレッチリー、ハンナ・アボットと、その隣に長い三つ編みのをしたハッフルパフの女子。
 それから顔も名前も知らないレイブンクローの生徒が3名が席に着いた。

「えーっと、それじゃあバタービールを人数分頼む」
「お代は自分持ちでな。俺たちだって億万長者ってわけじゃない」

 フレッドとジョージに言われ、皆もぞもぞとローブからお金を取り出してバーテンに払った。
 年老いたバーテンの顔には、これまでにこんな大勢の客は見たことがないとハッキリ書いてある。
 狐につままれた様な顔をしながら、バーテンはバタービールを差し出した。

「それじゃあまずは、乾杯だ」
「乾杯!」

 ゴクッ、ゴクッとバタービールをあおると、皆の視線がハリーにむいた。まさかハリーもこんな大事になると思わなかったのだろう。
 視線があちこちさ迷った末、事の始まりであるハーマイオニーに注がれると、ハーマイオニーがちょっと困ったような顔をして立ち上がった。
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