第15章 【BAD NEWS】
「仕方がないだろう、ハリーの手紙の質問に答えるには、こうするしかなかったんだ。フクロウ便を使ったら、反対に捕まえられかねない」
「手紙って……ハリー、彼方シリウスに手紙を送ったの!?止めた方がいいって言ったじゃない!」
「そんな目くじら立てることないだろ?手紙は暗号化して誰が読んでも分からない様にしておいたよ」
「ああ、実に巧いやり方だったよ」
シリウスがにやりと笑うと、ハリーもにやりと笑った。
いくら名付け親だからと言って血が繋がっているわけでもないのに、変な所で似ているから困る。
「それで手紙の内容なんだが、傷が痛んで不安になるのは分かるが、きっとそれほど深刻に悩むほどではない。ダンブルドアから聞いたが、去年も傷が痛んだことがあったと言うじゃないか」
「うん、ヴォルデモートが近くに居る時、または強烈な憎しみにかられている時に傷が痛むって言ってた」
「でもおかしいな。去年ハリーの傷が痛んだ時は私の『闇の印』も傷んだが、今回はそんなことなかったぞ」
「それも踏まえ、きっとアンブリッジが居た時に傷が痛んだ事と、ヴォルデモートは関係がないだろう。あの女の評判は死ぬほど悪いが『死喰い人』でない事は確かだ。まあある意味、『死喰い人』以下とも言えるがな」
何を思い出したのか、突然シリウスが苦笑いをした。
「リーマスがあの女の事をなんて言っているか聞かせてやりたいが、クリスの夢を壊してしまう恐れがあるから止めておこう」
「どういう事?」
「2年前に『反人狼法』を起草したのがあの女だ。その所為でリーマスはますます就職が困難になった」
それを聞いて、クリスのこめかみがピクピク動いた。
いけ好かないババアだとは思っていたが、まさか憧れのルーピン先生にまで悪影響を及ぼしているのかと思うと、今すぐあの太い首を絞めて殺してやりたくなった。