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ハリー・ポッターと沈黙の天使

第15章 【BAD NEWS】


「まずいな……」
「スナッフルは、もう2度とあの家を離れるべきじゃないわ。ダンブルドア先生のおっしゃる通りよ」
「でもあの屋敷にずっとかんづめっていうのも苦痛だぜ?」
「正体がバレてアズカバンに送られるよりマシでしょう?」
「だからって――」
「ちょっとまった!」

 ロンとハーマイオニーがいつもの様に言い争いを始め様とした時、ハリーが突然叫んだ。ハリーは3人に見えるように新聞をテーブルの上に広げた。ハリーの指さすところに、小さい記事でこう書かれていた。

【魔法省侵入事件】
――ロンドン市クラッパム地区ラバーナム・ガーデンに住むスタージス・ポドモア(38)は8月31日午前1時、魔法省に許可なく侵入、及び強盗未遂の容疑で逮捕された。この件に関しポドモアは終始無言を貫き、容疑が晴れるまでアズカバンに収容される事となる――

「スタージス・ポドモア……覚えてる?新学期の日、僕たちを護衛するはずだったけど来なかった騎士団メンバーだ」
「だけど、夜中の2時に魔法省でなにをやってたんだろう?」
「分からないわ。……でもこれだけは言える。きっと騎士団に関わる何かよ」

 それが何なのか推理するまもなく、チャイムが鳴った。
 これから『占い学』の授業なので、急がなければ遅刻してしまう。4人はいったん寮に戻って荷物を取ってくると、それぞれの教室に向かった。

 『占い学』の教室は今日も暑苦しくお香の匂いでムッとしていたが、薄暗く、退屈極まりないのでクリスはすぐに眠りに落ちた。
 授業が終わり、今度は『魔法史』の教室へ向かった。『魔法史』も『占い学』に負けず劣らず眠るのにはもってこいの授業だった。ピンズ先生の単調な声を子守歌に、クリスは寝不足で疲れた体をゆっくり休ませた。

 午後の授業は『呪文学』と『薬草学』だけだった。ダンブルドアからお達しがいったのだろう、『呪文学』ではクリスは簡単な呪文のおさらいだけだった。
 だがその代わりなのか、レポートの宿題が大量に出たので、こればっかりは流石のクリスも顔が引きつってしまった。
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