第14章 拾肆ノ型. 遊郭潜入
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ドタドタと廊下から聞こえる慌ただしい足音に、煉獄は長い眠りから目を覚ます。
音からして大柄の男。
心当たりといえば1人しか居らず、不思議な夢を見てまだ覚醒しきれない頭をどうにか動かしむくりと体を起こした。
窓から外を見ればすっかり日は登りきっていて、差し込む光が眩しい。
(真っ直ぐ此方に来るな。余程急いでいるのだろうか。)
夢での出来事を消化しようにも、足音の主は待ってくれないだろう。
煉獄はやれやれといったように立ち上がり、
連日続いた任務の疲れからか未だ眠り続ける刹那に布団をかけ直した。
温もりに緩んだ刹那の表情、見届け掛けてあった羽織に袖を通し終わった丁度の時に乱暴に障子は開かれた。
「煉獄ーーーー!!!ちょっくら刹那貸せやああああ!!!」
家が揺れる程の大声をあげながら入って来たのは、炭治郎達3人を抱えた宇髄。
予想通りの男の登場に、煉獄はおはようなんて呑気に答えた。
宇髄もまたおはようと口早に告げ、乱暴に3人を床へ投げ捨てたかと思えば自分はどかりと座り込む。
少しイラついたような宇髄の雰囲気に圧倒されつつ、
「まあ落ち着け宇髄。一体何なんだ。」
やっと覚醒した頭で何とか言葉を発する。
が、
「実はな...」
『んっ...』
宇髄が答えるより先に、炭治郎達が投げ捨てられた衝撃で目を覚ましたのか刹那がもそもそと動き出した。
布団から出た手は隣に居るはずの煉獄を探し彷徨う。
刹那を起こしてしまったとおろおろ落ち着かない炭治郎達3人に静かにするよう指示して、
「おはよう刹那。」
優しく言いつつ宙を彷徨う刹那の手を握ってやる。
それで満足したかと思えば、のそりと起き上がった刹那に口付けられ、
『おはよう。』
寝起きの緩い微笑みのままそう言われた。