第10章 きみの呪いが解けるまで
『そんなこと言えるわけないじゃん!?それで真顔でドン引きされたらどーすんの!?』
「なまえは五条が絡むとホント自信ないよねー。入学初日の自信はどこ行ったよ」
いつか夏油にも同じような事を言われたなぁ、なんて思い出して、なまえは困ったように笑う。
『はは、そうだね。悟のこととなると、自信ないかも。だってあいつ凄いじゃん?私が並べるわけないって思うんだよ』
「側から見りゃ十分お前も凄いよ。なんかお前らさぁ、お互いに違う形で呪い合ってるみたいだよね」
硝子がぽつり、と言った。
「ま、焦ることでもないからゆっくり考えなって言いたいところだけど、五条は違うっぽいね」
『どういう意味?』
「アイツ今年で18じゃん。男として世間に認められる年齢になるわけだからさ」
硝子は言いながら、なまえの顔を見てニヤリと口の端を上げた。
「本気でキメに来るかもね」
『…期待させないでよ。違ったらショックじゃん』
「好きだよってちゃんと言われたらOKしてやんの?」
『んー、本気なのかどうかわかれば、多分』
「煮え切らねえなあ。照れんなって、私には正直に話せよ」
『ええ、だって私恋愛とかしたことないからわかんないし…そもそも仮に悟が私のことを好きだったとしてもなんで私のこと好きなのかもわかんないし』
「なまえはいい女だよ。お前が思ってるよりずっとね。まーでもそういう謙虚なところも、なまえの魅力の一つなんだけどさ」