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【呪術廻戦】廻る日の青

第16章 因中有果




今まで虎杖が遭遇してきたどんな呪い(バケモノ)よりも遥かに呪い(バケモノ)―――虎杖は目の前に在るその存在に息を呑んでいれば、五条がぽん、と頭を撫でた。


「大丈夫。僕から離れないでね」


「―――領域展開「蓋棺鉄囲山」」


瞬間、辺り一面が火山頭の領域に包まれた。悍ましいほどの呪力量だ。これほどの大きな領域を展開するには、凄まじい呪力量が必要なのに。並の術師であれば、この領域に包まれた瞬間焼け焦げるだろう。


「なっ……なんだよこれ!!」


呆気に取られる虎杖に、五条は続ける。


「これが「領域展開」―――術式を付与した生得領域を呪力で周囲に構築する。君達が少年院で体験したのは術式の付与されていない未完成の領域だ。ちゃんとした領域なら1年全員死んでたよ。恵はわかってたんじゃないかな」

「アッツ!!ちょ、話が難しくて全然わかんねぇんだけど!!」


そんな虎杖に、五条の隣にいるなまえがまるで火山の中のような辺りを一通り見回し、感心しながら口を開いた。


『領域を広げるのは物凄く呪力を消費するけど、それだけに利点もあるんだ。一つは環境要因によるステータス上昇。わかりやすくいえばゲームのバフみたいなものさ。そしてもう一つ』


言いかけた、瞬間。火山頭の斬撃がこちら目掛けて思い切り降ってくる。それはバガン、と大きな音を立てて、五条の腕で弾け飛んだ。パラパラと振り落ちる火の粉を払いながら、なまえは五条の後ろで怯むことなく虎杖に続けた。


『領域内で発動した付与された術式は絶対当たる』

「ぜ、絶対…?」

「ずぇ〜〜ったい」


念を押すように言う五条に、なまえが笑顔で続ける。


『でも安心して。対処法もいくつかあるの。今の悟みたいに呪術で受けるか、これはあんまりおすすめしないけど領域外に逃げる。ま、これは大抵無理だけど。そして』

「―――貴様の"無限"とやらもより濃い領域で中和してしまえば儂の術も届くのだろう?」


なまえの説明に割って入ってきたのは、火山頭の呪霊だ。そんな呪霊に、なまえは笑顔を向けた。


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