第15章 ハジメテをキミと。※番外編
「……やば、きっつ……ね、痛くない?」
『…だ、だいじょうぶ』
「痛かったらちゃんと言えよ、俺今マジで余裕ないから」
いつもの余裕そうな表情からは想像できないほど、彼の顔は苦しそうに歪められていて。その顔が、なんだか妙に官能的に見えた。自分があの五条にこんな表情をさせているのかと思うと、感じたことのない不思議な感覚に襲われた。
「ちょ、これ以上シメんなって、」
『え?』
「……無自覚かよ」
ぽつりと彼の口から出た言葉の意味を理解するような余裕は、自分にもなかった。どんどん奥へと入っていく彼のそれに、体の奥が熱くなる。キツくて、少し痛いなかにも確かに感じる快感に溺れるように、思わず声が漏れた。
『……んっ……』
「……っ、やば…」
五条の口から漏れる吐息にも似た声に、余計に身体が熱くなった。五条の両手が、なまえの腰を優しく掴む。ナカでゆっくりと動かされるソレが擦れる度に、自分じゃないみたいな声が出た。
『……あっ……、ぅん……っ』
「……っ可愛い声出すなよ」
『…ごめ、』
「うそ。もっと出して。でも俺がやばい」
そう言って、五条は動きを止めた。
『……?』
「……ちょっとタイム。…このままだと今朝の話がシャレになんない」
呼吸を整えながらそう言った五条は、俯いているせいで白い髪が顔にかかって表情がよく見えない。
早漏説が本当になってしまうことが嫌で、我慢しているのだろうか。そんな姿がなんだか可愛くていとおしくて、胸がきゅんとする。
「~~っだからシメんなって!」
慌てて顔をあげながらそう言った五条が更に可愛くて、今度はなまえが意地悪したくなった。