第15章 ハジメテをキミと。※番外編
『…私も好きだよ、悟。今日は勘違いでヤキモチ妬いて、不安にさせてごめんね』
なまえの言葉に、五条は大きく目を見開いたあと、顕著に眉根を寄せてから、はあー、と大きくため息を吐いた。
「…オマエさぁ、それ狙ってやってんの?」
『何が?』
「いちいち可愛すぎるんだよ。なんなの?俺をどれだけ弄んだら気がすむんだよ」
『弄んでなんかないし全部本気だもん』
「ホントにいーの?」
『ダメなわけないだろ。…夫婦、なんだから』
「そっか。そうだよな。俺達夫婦だもんね」
まってましたと言わんばかりに五条はそう言った後、にやりと妖しげに笑うと、立ち上がって、ひょい、となまえの身体を抱きかかえた。
そのままお姫様抱っこをされた状態で、近くのベッドにぽすん、と優しく横たわらされる。ふたたびなまえを組み敷いた五条の白い髪が、さらりと頬に降りてきて、擽ったい。
「もうどーなっても離してやんないよ」
その言葉を最後に、五条はなまえの口を強引に塞ぐようにふたたびキスをした。少しずつ角度を変えるように重なる唇は、優しいけれどどこか余裕のないような、焦りを孕んでいるような。慣れない仕草で互いの唇を愛撫するように、何度も何度もキスを繰り返す。吐息と唾液をいやらしく絡ませながら、五条の手がゆっくりと、なまえの制服のブラウスのボタンをひとつ、ふたつ、みっつ、と外していく。