第2章 「弟では、ないですね」【竈門炭治郎】
「炭治郎くん、今日の任務よろしくね」
「はい!よろしくお願いしますさん!」
私にはそれはそれは可愛い後輩くんがいる。
その名も竈門炭治郎。
おそらく彼と関わった人で心がほかほかしない人は鬼を除いて1人も居ないのではなかろうか。いや、むしろ鬼の心さえも溶かしてしまうのでは…?
そう思ってしまうほど、太陽のような少年なのだ、炭治郎くんは。
柱の皆も彼に対し、多かれ少なかれ好意を持っているようで、皆彼と会うと頬を綻ばせるのだ。…まあ、若干名例外も居るが。
「あれ、炭治郎くん。今日は禰豆子ちゃん居ないの?」
「あ…そうなんです…。回復が必要らしくずっと眠っているので、今日は危ないから蝶屋敷でみてもらっています…うぅ、禰豆子ぉ…」
鬼の妹、禰豆子ちゃん。
彼女は鬼にも関わらず人を食べず睡眠で体力の回復を計るという。なんて誇り高い…、素敵な妹さんなんだ。彼も彼で置いてきてしまった禰豆子ちゃんに早く会いたいらしい、いつもなら木箱を背負っている空間を心配そうに忙しなく撫でていた。
実際その手は空を切っているだけなのだが。
お兄ちゃんの不安な気持ちがよーく伝わってきて私はまた心がじぃんと暖かくなったのだ。
「…お姉さん感動してしまったよ…!よし、早く任務終わらせて帰ってあげようね!」
「わっ!頭を撫でるのはやめてくれませんか…!」
「まあまあ、炭治郎くん長男だろ?
たまには年上のお姉さんに甘えなさい!」
「やややめてください…!!」
撫でられ慣れていないのか、気恥しそうにする炭治郎くんにますます庇護欲が擽られ、ついつい弟を可愛がるようにわしゃわしゃと頭を撫でてやった。