「新テニ」理想のペア、2組のペアたちとドリンクジ対決!!
第1章 理想のペア、2組のペアたちとドリンクジ対決!!
「木手、大丈夫か?」
丸井は心配そうな表情で木手の横に来ます。
「大丈夫ですよ、全然平気ですよぉ、全然……」
と、木手は言いながらも、お腹を片手でさすっていました。まだお腹がゴロゴロいっているようです。
「あんま大丈夫そうじゃねぇ……」
強がっている木手に丸井は苦笑します。
このあとは沈黙がしばらく流れましたが、丸井がもう一度木手に声を掛けます。
「木手、腹の調子はおさまったか?」
「………いいですよ、丸井くん、先に合宿所の宿舎に戻っても」
「病人をここに置いて、そういうわけにはいかねえだろい」
「人を勝手に病人にしないで下さいよぉ。いくらかさっきよりはお腹の痛みはおさまってきました。だから、大丈夫ですよぉ、あなたは先に宿舎に戻っても」
「……良かった」
丸井は心底ホッとした表情を浮かべていました。それから、少年はズボンのポケットの中からガムを取り出します。
「おや、それは?」
木手が不思議そうに聞きました。
「ガムだ。いる?」
丸井は笑顔でガムを木手に差し出します。
「……結構です」
木手はお腹をさすりながら断りました。