第5章 バカンス気分で…
「着水します!」
アルは大きめな島を見付け、近くに艦を着水停泊させた。そこから上陸挺で島に向かう。白い砂浜に降り立つと、たっぷりの陽射しとシリウス蝉の大合唱が出迎えてくれた。
早速、レスキュー隊員がテントやパラソルを立て、テーブルやビーチチェアが並べられた。
「料理を並べたら、バーベキューの支度するよ」
ターニャの指示で食堂クルーが走り回る。和洋中、様々な料理やデザートがテーブルに並べられる。バーベキューコンロではターニャが肉の塊を焼きはじめた。
「材料はたくさんあるからジャンジャン焼くよ!」
「おばちゃん!交代要員の分は残しといてや!」
ロブがターニャに一声掛けるとみんなを集めた。
「皆さ~ん!これより海難救助訓練を始めまっせ!
隊長!一言たのんます」
「良いか、これは海難救助訓練だ
各自、好き勝手に訓練しろ!」
スコットは手にしたノンアルコール缶ビールを掲げる。隊員達は一斉に歓喜の声を上げた。
スコットはパラソルの下、ビーチチェアに腰を下ろし海を眺めた。そこにローズがピョンと飛び乗り欠伸をする。スコットはローズの頭を撫でながらノンアルコールビールを飲み干した。
「艦長、スイカ割りしましょ♪」
メルがやってきて、にこやかにスコットの腕を引っ張る。
「あん?俺がやるのか?」
クルー全員が笑顔で敬礼する。
「分かった分かった…
今日は無礼講だ!スイカでも花火でも何でもこい!」
「「おぉ~♪」」
(いつも張り詰めた中で頑張っているクルー達もたまには羽根を伸ばさないとな…)
海も気候も穏やかで、GalaxyAngelsの隊員達は最高の海難救助訓練を行った。