第4章 漂流船
現場に到着すると、観光船はすぐに見付かった。
『こちら銀河連邦所属第44レスキュー隊GalaxyAngels、応答をお願いします』
『…』
『こちら銀河連邦レスキュー隊、応答願います』
『…』
艦の通信システムは自動翻訳機能になっていて銀河連邦の船なら普通にやり取りが可能である。
「艦長、応答がありませんね」
メルはスコットに肩をすぼめて見せた。
「メルはそのまま交信を続けてくれ
アル、観光船に接続する
隣に着けろ」
スコットはアルに指示するとロブにブリッジを任せた。
「えっ?先輩どこ行くんすか!?」
「俺も乗り込む!」
そう言い残し、スコットは医療室に向かった。
医療室では船医のカークとレイラが言い争いをしている。
「パパは私が未熟だって言うの!?」
「仕事場でパパと言うな!
お前はまだ救命医療を甘く見ている
そんなんじゃ現場には出せん…」
そこにスコットが入ってきた。
「なんだ?親子喧嘩か?
悪いがそれは後にしてくれ
…観光船と連絡が取れない
乗り込むから、カーク同行してくれ」
レイラが割って入った。
「その現場、私に行かせて下さい!」
その勢いにスコットは眉をひそめた。
「意気込みは買うが、今回は経験が物言う現場だ
レイラでは経験不足だ」
スコットはきっぱりと言い切り、医療室を後にした。