第7章 魔法使いシャルル
振り向くと…。
「ん?…あれ?」
誰もいない。
目線の下の方に何か動いた。
下を向くとモフモフが…。
「う、うさぎ?」
長い二本の耳がピンと立っていた。
「私はシャルル、見ての通りウサ人種です」
シャルルは苦笑いしてる様に見えた。
(兎の獣人もいるんだ…)
「…なんなら譲るよ」
「いえいえ、私も登録したばかりなので一人では不安で…」
ティアナは渋ってるから、これは渡りに舟かも知れない。
「俺は場所が分からないから、君が分かるなら一緒にやるか?」
「場所は大丈夫です
今から行けば夕方には戻ってこれます」
「じゃあ決まりだ
俺は猫左衛門…、すぐに行こう」
早速、シャルルとフォードスに向かう事にした。
「え~っ、私は!?」
ティアナが叫んだ。
「はぁ?やる気ないんだろ?」
「あっ…いゃ…や、やる気ない訳じゃ…なくて…」
あたふたしたティアナを見るのは、ちょっと楽しかったりする。
「シャルル、分け前は減るけど良いか?」
一応、シャルルに確認した。
「私は平気です
お二人にいろいろお話しを聞きたいし…」
結局、三人でフォードスに向かう事にした。
道すがら、シャルルといろいろ話してみた。
「ウサ人種が自分の地域から出て来るなんて珍しいわね」
ティアナが意外なことを言い出した。
「そうなんだ?
なら、シャルルはなんで冒険者になったんだ?」
俺は訳を聞いた。