第3章 紅の銘刀
「えっ?…何?」
ティアナはきょとんとしている。
「猟師なら剣も扱える様にしろって言ったよな
ちょうど良い、ついでにお前も鍛えてやるよ」
「え~っ、何で私まで…」
ティアナはディアスを恨めしげに睨んだが、ディアスはどこ吹く風で涼しい笑顔を見せた。
相手がティアナになったとは言え、猟師として実戦を経験しているティアナに勝てるはずもない。
「はぁ…はぁ…
もうだめだ…」
俺は肩で息をし、その場に倒れ込んだ。
「良いか、猫左衛門
剣は『切る』『突く』『受ける』が基本だ
切るは縦に振ったり、横に払ったり…
突くはそのまんまだ…
受けるは相手の攻撃を防ぐ…
その動作を組み合わせるだけ…、簡単だろ?」
ディアスの説明は確かに簡単に聞こえるが、それを実践するのは難しい。
「剣だけじゃなく、戦闘は頭で考えてたら遅いんだよ
いかに身体が動くか?って事だ」
「いやいや、それが一番難しいだろ…」
「そうだ、一番難しい事が出来ない奴は死ぬだけだ
死にたくなければ、死ぬ気で出来る様になる事だな」
ディアスは口角を上げて言い放つ。
「猫左衛門って元は人間だよね?
猫人種の身体に慣れてないんじゃない?」
ティアナが意外な事を言った。
そういえばローズにも似たよう事言われたな。
獣人種は力が強いって…。
「そうかも…
でも、どうすれば良いんだ?」
考えてみても答えは出ない。