第2章 困惑の異世界生活!?
入り口に『ダットン工房』の看板が掲げられている。
ティアナに続いて店に入ると、工房らしくあちこちに工具が置かれている。
しかし肝心の職人が見えない。
「よう、ティアナ…
男連れとは珍しいな」
どこからか渋い男の声が響いた。
「いや、だから、この人はローズの店の…」
ティアナはまたあたふたしている。
(何でだろう?
ティアナくらい可愛ければ、彼氏くらいいてもおかしくないのに…)
「おぉ、そういえば昨日、店におった猫坊主か!?」
声が足元から聞こえる。
下を向くと俺の腰くらいの背丈のじいさんがいた。
「ま、まさか…、じいさんが職人?」
「馬鹿者!わしゃダットンじゃ…
ローズより若いわい!
じいさん扱いすんな!」
「す、すんません!」
(こっちの老人はみんなこんな感じなのか?)
背は低いがやたらガッチリとした体格で腕も俺より太い。
職人と言うのは間違いない様だ。
「で、猫坊主は何を作って欲しいんだ?」
「この刀を手入れしてもらえれば…」
俺は腰の刀を差し出した。
「…ずいぶん細いな
抜いてみ」
言われて刀を抜こうとしたが…。
「んっ!…ふんっ!」
いくら力を入れても抜けなかった。
「あれ?サビちゃったのか?」
「ほぉ~面白い剣じゃな
今のお主には抜けないだろう…
貸してみな」
ダットンは俺の手から刀をぶん取った。