第12章 必殺技と回復魔法
実際にナイフを手に取ってみた。
「…これは切れそうだ」
「当たり前じゃ、わしが打ったナイフなんじゃ
切れ味は保証してやる!」
ダットンは胸を叩く。
「私、このままで良いわ!
高く売れそう…」
ティアナは目を輝かせ、今にも持ち去りそうだ。
「ティアナ!試作品なんだ、持ってたらタダじゃすまねぇぞ!」
ダットンが睨みを効かす。
「分かってるわよ、ローズやスカーレットが関わってるんだからそんな事しないわ…」
ティアナは渋々という顔でナイフを置いた。
「じゃあ明日、シャルルを連れて来るよ」
俺達はダットンの店を後にした。
「じゃあ私も帰るわね
子猫ちゃん、また一緒に冒険しましょ♪」
(ガブリ)エルは投げキッスをして帰って行った。
背中に強烈な寒気が…。
「…ったく、Aランクじゃなきゃマジでぶっ飛ばしてやるのに…」
腕が良いから我慢は出来るけど…。
「私達はどうする?」
「そうだな…酒場で何か簡単な依頼がないか見てみるか?」
俺もすっかり冒険者だな。
ティアナと冒険者酒場に向かった。
酒場は相変わらず多くの冒険者が出入りしている。
「古城探索の行かないか?」
「よぉ、ティアナ~俺と飲もうぜぇ~」
「ティアナ!狩りに付き合わないか?」
そして、相変わらず人気のあるティアナだった。
「人気者だねぇ~ティアナちゃん」
ウェイターが注文を取りに来る。
「わ、わ、わ、私なんか…人気じゃないわよ」
ティアナの取り乱しぶりも相変わらずだ。