第12章 必殺技と回復魔法
クライブに巻き込まれた団員達は気を失っていたが…。
「う…くっ…何て…速さだ…
受け身も取れなかった…」
クライブは何とか立ち上がる。
「オッサン、すまなかったな
あれはまだ力加減が出来なくて…」
出来る様になったばかりの技、力加減どころか構えたら止める事も出来ないのが事実だ。
「…良い試合であった
私もまだまだ未熟…鍛え直さねば…」
(いやオッサン、これ以上パワー上げたら本当に化け物だぞ)
「凄いわ!猫左衛門!
いつの間にあんな技、使える様になったの!?」
ティアナが暁丸を持って駆け寄って来た。
「…相手に使ったのは初めてさ
あんな威力があるとは思わなかったけどな」
しかし身体中がガタガタで動かねぇ。
『だいぶ成長したな
これなら我を使える様になるのも近いな』
(おい、まだ使わせない気かよ…)
まだ暁丸を納得させられない様だ。
「ティアナ、邪魔だから猫左衛門をさっさと医務室へ連れて行け…
クライブ、訓練を始めろ!」
ディアスはすぐに団員達に指示した。
「はいはい…
行こう、猫左衛門…」
ティアナの肩を借りて騎士団の医務室へ向かった。
「…ディアスも冷てぇな
…手貸してくれても良いじゃんか?」
俺がぼやくと…。
「兄貴、喜んでるのよ
猫左衛門が強くなったから…」
「…あれでか?」
どう考えても動けなくなった俺が邪魔だったって感じだけどな。
医務室に着くと魔法で、体力はあっという間に回復してしまった。