第1章 異世界は唐突に!
乾孝明25才、独身、職業フリーター。
くだらない大学を中退したが、やりたい仕事もなく、バイトを転々としている。
何の取り柄もない至って普通な男だ。
ある日、そんな俺が有り得ない事態に巻き込まれる事に…。
それは余りに突然だった。
その日もいつもと変わりない日常だった。
「おつかれさま~」
仕事を終えてバイト先から帰宅の途中、ふと猫の鳴き声が聞こえた。
「ニャ~ッ!」
それは俺の頭の上、猫は叫び声の様な鳴き声に変わった。
「シャ~ッ!」
チラッと目線を上げると鳴き声を上げながら俺に目掛け飛んで来る猫。
「うわ~っ!」
もう避ける間はなかった。
まさか猫と正面衝突する事になるとは…。
「いっててて…」
俺は額を押さえながら、飛び込んできた猫を探した。