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【鬼滅の刃】氷雪の華

第7章 07. 稽古


[07. 稽古](1/1)
水柱・冨岡義勇の稽古は狭霧山にて行われる。
『宜しくお願いします』
「・・・」
毎日毎日山下りを繰り返すと随分罠を避けられるようになってきた。体力が向上し反射神経が良くなってきたのを感じる。今日は義勇さんに刀の使い方を教えてもらった。手に持つとずしっと重みを感じる。女の細い腕では両手で支えるのがやっとだった。刀は折れやすいらしい。縦の力には強く横の力には弱い。力を真っ直ぐに乗せ刃の向きと刀を振る時に込める力の方向は全く同じでなければならないようだ。
「やってみろ」
『はい』
両手で刀の柄を持ち構える。呼吸を整えてゆっくりと振り上げ下ろすとーーーキイィィイン。
音が鳴り響き空気が震えた。
『ーーーっ!』
振り下ろしただけで刀の重さに体が持っていかれそうになる。何て非力なのだろうと痛感する。
「それを繰り返せ」
「・・・はい」
素振りを繰り返し姿勢や呼吸が乱れると義勇さんに注意される。力強く柄を握っていたせいで手に豆が出来、血が滲んでいた。
『ーーー痛っ!』
思わず手を握り締めると、それに気付いた義勇さんは「見せろ」と私の手を掴んだ。
『ーーーっ!?』
思わず頬をを赤らめるが義勇さんはそんな私の反応には気付きもせず怪我をした手の平に冷たい水を掛けて包帯を巻いてくれた。手早く慣れた手付きに思わず関心してしまう。
『有難うございます・・・っ』
何故か彼が近くでいるだけで胸が高鳴り頬が熱くなる。だけど義勇さんはいつもと変わらない。相変わらず彼は何を考えているのかわからない。不器用で絶望的に言葉が足りなくてでも本当はとても優しい人だというのはわかるけれど。ーーーっ!何考えてるの私は!?
慌てて自分の頬を叩くと義勇さんはビクッと肩を揺らし頭を傾げた。
「そろそろ休憩にするか」
『は、はい』
真っ赤になった頬と真っ白になった頭でぐるぐると物事を考えていると目の前に竹筒がすっと現れた。
『あ、有難うございます・・・』
義勇さんが無言で差し出してくれた竹筒の水筒を口に含むと程よく冷えた水が優しく喉を潤してくれる。隣に座っている義勇さんを見ると彼は物静かに刀の手入れをしていた。そんな彼を隣で見つめていると口を開いた。
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