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【鬼滅の刃】氷雪の華

第2章 02. 冷血


[02. 冷血]

私を助けてくれた男性は鬼殺隊員と呼ばれる人喰い鬼を狩る力を有した剣士だった。
『ーーーっ!』
黒髪の男性に対して涙を流しながら睨み付けると彼は私の羽織の首を掴み降り積もる雪の中をざくざくと音を鳴らしながら歩き始めた。
『あっ!ぐ・・・っ!離・・せ・・』
必死に抵抗するが力を緩める事なく引っ張られある場所へと連れて来られた。そこは人里から離れた雪山の洞窟だった。酷く寒く息苦しい。私の身体を地面に投げつけると男性はようやく重い口を開いた。
「ここにいろ」
『なっ・・・!私は・・・死にたいの』
洞窟内で叫んだせいか声が反響する。悲しみと虚しさが胸の底を軋ませた。焼けつくような喉の痛みと眩暈がする。
「お前は生き残った」
『ーーーっ』
愛別離苦で心が埋もれてしまいそうだ。悲しみ恐怖憎しみから涙を流し嗚咽を漏らすと男性は後ろを振り向き再びあの里へ向かって行く。身体に残る命の灯火が消えるまでは生きなくてはならなかった。酷く冷たい洞窟内にて凍える身体を少しでも温める為に身体を丸め震える口を必死で塞いだ。
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