第5章 この手を掴んだら、最後【R18】《不死川実弥》
「や、ぁ…っも、動かさない、で…」
「ふ…、なァ、お前、俺がこの後どうしたいか、分かってるか?」
指を動かしながら、熱っぽい視線で見つめる彼が言う。
「ん…っ、どうしたい、か?」
「そう…俺がなんで、こんなにキツいお前ン中をほぐしてるのか、ちゃんと分かってる?」
「っ…あ!ぅ…分かって、る…」
そんな事も分からない程、私はもう幼くは無い。
私はそんなに幼く見えるのか?
こんな、恥ずかしい事までしておいて、何を今更?
ぼうっとする頭でそこまで考えて、息の掛かる距離にある彼の瞳を見つめ返せば、彼は優しく微笑んでいた。
「っ…不死川さんは、私の事、いつまでも妹みたいな奴だと思ってるん、でしょ…?」
「…あァ?女将に言った事、気にしてンのか?」
「っ、別に、それは気にしてません…実際、私も不死川さんの事は意地悪なお兄ちゃんみたいな感じに思ってました、し…」
「…お兄ちゃん、か…俺は、お前の事、妹なんて思ったことなんて、ねェよ…」
ゆるゆると2本の指を中で別々に動かしながら彼は淡々と喋る。
「ん…不死川さ…指、止めて…っ」
ちゃんと話を聞かなきゃと思うのに、彼の指が止まらないせいで、頭はぼうっとするばかりで。
「お前は、俺の中で、初めて会った時から女だったよ」
そんな会話は、普通はちゃんと向かいあってするものでは無いのか?
「んっ…や、ぁ…っ」
「お前に付く悪い虫は全部、排除して。大事にお前を見守ってきたんだよ…悪いお兄ちゃんで、悪かったな?」
「不死川さ、ん」
胸の奥がきゅう、と苦しくなって
気が付けば彼の両頬を両手で包み込んで引き寄せて、始めて自ら唇を合わせた。
「…そんなのは、こんな事をする前に話して欲しかったです…」
「…もう、今更だろ」
ふ…と、思わずお互いに笑い合って
どちらともなく唇を合わせて、舌を絡める。
「…ん、ふ、ぁっ」
脳内が蕩けて行く様な感覚に
口付けだけで、こんなに幸せを感じてしまう程、彼の事が好きだったのにどうして今まで気付かなかったのだろう。
「みさ…」
唇を少し放して彼が自分の名前を呼ぶ。
それだけで身体の芯がゾクリと震え上がり、ナカに入ったままの彼の指をきゅう、と締め付けた。
「もう、入れたい…」
吐息と共に漏れたその声に、
どうしようも無い愛しさが込み上げた。