第10章 再会が必ずしも良い事とは限らない
なんで休みの日までこんなことしなきゃならないのよ!
四股を踏みながら隊長の部屋の前まで行き、勢いよく襖を開けた
『沖田隊長ォおおお!!起きてください!』
「…」
部屋の中に入ると案の定沖田隊長はまだ寝ていて、相変わらず腹の立つアイマスクを装着していた
『あの、沖田隊長…もう6時過ぎてますよ!』
寝ている彼の傍まで行き、そっとアイマスクを外した
気持ち良さそうに眠る彼を見つめる
普段はドSな鬼畜野郎だけど、眠ってる時は本当に少年みたいな顔してるなぁ…。
ぶっちゃけ寝顔だけは…カッコ良くないことも、ない?
『沖田隊長ー起きてください』
その後軽く布団を揺さぶっても反応がない為、布団を捲ろうとしたその時
『ぎゃッ』
パシッと腕を掴まれそのまま布団の中に引きずり込まれた
薄っすらと目を開けると沖田隊長が私の上に跨るような体勢になり、意地悪そうな顔で私を見下ろしていた
ね、寝たフリかこの野郎!
「人様の寝込み襲うなんて随分大胆な雌ブタじゃねーかィ」
『…誰が豚ですか。副長に頼まれて起こしに来ただけです…重いんで早くどいてください』
「チッ、ちっとは動揺すると思ったのに…平然としてつまんね」
そう言って沖田隊長はサッと私から離れた
解放された私もすばやく起き上がりそのまま彼を睨んだ
『早く起きないと副長に怒られますよ』
「わかってらァ、かあちゃんかテメーは」
『隊士の責任はその隊のみんなの責任になるんです!』
「その台詞そのまんまいつものオメーに言ってやりてェ…つか何で今日はんなに早起きなんでィ」
『それはその…たまたまです!』
そう言って笑うと沖田隊長は不審な目で私を見つめた
『と、とにかく早く起きて下さいね!では!!』
ビシッと沖田隊長を指差し部屋から出て襖を閉めた
ふぅ、と一息ついて襖に寄りかかるようにしてその場に座り込んだ
ていうか…
び、
びっくりしたああああ!!
し、心臓止まるかと思った!!
胸を押さえながら部屋の外でパニックになっているところを通りすがりの隊士たちが不審な目で見てきた
…まだドキドキいってる。
顔も熱いし、変な汗出てるし…
最近の私は何だかおかしい。
…きっと急に引っ張られたからビックリしただけだ。
そう何度も自分に言い聞かせ、私はその場を後にした