第10章 再会が必ずしも良い事とは限らない
部屋に戻ろうと歩く足をピタッと止め、先程の山崎さんの言葉を思い出した
- 結衣ちゃんさ…もしかして泣いてた? -
私は洗面所の鏡の前に立ち自分の顔を見つめた
『うわ…本当に目腫れてる…』
どうして涙なんか…
それに…。
- 結衣、 -
夢の中で私の名前を呼んだのは誰だったんだろう。
平河隊長…?
思い出そうとすればするほど夢の記憶はどんどん薄れてゆく
『でも…私には皆がついてるんだもん…きっと大丈夫だよね』
鏡に向かって微笑むと鏡の中の私は悲しげに笑った