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星の砂✩【銀魂】

第7章 認めたくない事実もある


「じゃあ俺はそろそろ行くけど、ちゃんと寝てなきゃだめだよ」

『わかってますよ…大人しくしてます』

「墓参りにも…」

『行きませんよ』

私がそう言うと山崎さんは安心したように笑った

「ひょっとしたら後で沖田隊長が看病に来るかもね」

『いや…絶対何か恐ろしいことされそうなんでいいです!!』


何か…

ハッとなって考え込む私を山崎さんは不思議そうに見つめた

「どうしたの?」

『あ、いえ。…そういえば私…沖田隊長に何かしたかなって思いまして』

「何かって?」

『さぁ…でも此処んとこ避けられてるような気がするんですよね』


一昨日も二人で見回りのはずだったのに



『沖田隊長、今日の巡回コースってかぶき町でしたよね』

「あー…今日は神山と行けィ」

『えっ…沖田隊長は?』

「俺ァ他にやることがあるんでさァ」

『やることって…』

「別に何でもいいだろィ」

『…』










『態度も妙に素っ気ないし、屯所に帰っても目を合わせてもくれなくて……だから私何かしたのかなって…』

「それっていつから?」

『そうですね…あ、丁度一週間前のあの嵐の日からですね』

私の言葉に山崎さんは一瞬何かに気づいたような顔をしたけど何も言わなかった

「それで…沖田隊長とも最近喋ってないんだね」

『まぁ…必要最低限の会話くらいしか』

山崎さんは私を見つめ微笑んだ

「また…何やらかしたの?」

『だから何にもしてませんって…山崎さん何か知りません?』


「…さぁ。…ま、それはもう自然の成り行きに任せるしかないね」

『えー…ッけほッけほ!』

「今結衣ちゃんがやらなきゃいけないことは一刻も早く風邪を治すこと!」

『…そうですね』

私がそう言って布団を深くまで被ると山崎さんはゆっくり立ち上がり、お粥を持って部屋から出て行った


『…山崎さんって…お母さんみたい』

でも…こんなに心配されたのって…初めてかもしれない。

家族ってこういう感じなのかな。

なんて、家を飛び出してきた私がそんなこと思う資格なんてないか。

- 女が行くところじゃない! -

でも…私は一度だって真選組に入ったことを後悔したことはない


ただ…大切な人を失う気持ちを知ってしまったから…

もう二度と同じことを繰り返さないようにするって決めたんだ。
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