第26章 他人の惚気話は無駄に長く感じる[杏子side]
鳥の囀りと縁側を歩く隊士達の話し声で私はゆっくりと目を覚ました
身体を起こし、しばらく日の差し込む障子を眺める
「…私いつの間に眠ったんだろう」
部屋の襖を開け、軽く伸びをすると先程の光景が再びフラッシュバックする
ー 好きです、山崎さん ー
あぁ、そっか。
私…あれから帰ってすぐに寝ちゃったんだ。
太陽の位置が既に真上にあることから相当の間眠っていたであろうことがわかる。
「今日がオフの日で良かった…」
小さく呟き安堵の溜息をつく
すると何処からか美味しそうなニオイがして私のお腹が音を鳴らした
「はぁ…」
ほんと、こんな時でもお腹だけは空くんだから…。
鳴り止まない自身のお腹の音に呆れながら私は自室を後にし、食堂へと向かった