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星の砂✩【銀魂】

第25章 人は試練を乗り越え強くなる【真選組女中編⑤】


それから私は手元の園内マップを見ながら様々なアトラクションを楽しみ、気がつけば時間はあっという間に経っていた

『あ!あそこに餡蜜が売ってますよ!』

「遊園地に来てまで餡蜜って…どんだけ好きなんでィ」

結局、ほとんど私が沖田隊長を振り回すような形になってしまったけど、それでも彼は最後まで私の我儘に付き合ってくれた

『さっきのメリーゴランド凄く面白かったです!』

「そうかィ、よかったな」

『はい!沖田隊長も乗れば良かったのに…ずっと上下に動いてて本当に馬に乗ってるみたいでしたよ!?』

「あー…俺はお前の乗ってる姿見て十分楽しんだからいいんでィ」

そう言ってドヤ顔で言い切る沖田隊長だったけど、実際の彼は私が乗りながら呼び掛けても一切応えてはくれなかった

「それで?…もう十分に楽しめたのかィ?」

『はい!遊園地って初めてでしたけど、こんなに楽しい所だとは思いませんでした!…また、…またいつか来たいです!』

「そうだな…まぁ、たまにならまた連れて来てやらァ」

言いながら微笑む沖田隊長を見つめ、私も同じように微笑んだ

「遊園地もたまには悪くねェな…

何せリアクションが新鮮過ぎて面白ェから」

『いや、それ遊園地じゃなくて私ですよね!?私の事バカにして言ってますよね!?』

「まぁ何にせよ、次に来る時はマニュアルなんかじゃなくてもっと普通にしろよ」

『え…』

そう言って先を歩いて行く沖田隊長の言葉に私は思わず目を点にして固まった

『き、気づいてたんですか!?』

「オメーのヒソヒソ声はデカすぎなんでィ」

な、なんてことだ!丸聞こえだった!

ということは杏子ちゃんとの無線のやり取りも全部筒抜けだったってこと!?

『誤算…』

「つーか、初めからグダグダだろィ」
『そんな事ないですよ!少なくとも待ち合わせ場所を沖田隊長が間違える前までは完璧でした』

「オイ、さり気なく人のせいにしてんじゃねェや」

言いながら私の足を蹴ってくる沖田隊長

『痛っ!!治ってからまだそんなに日が経ってない足に何してくれてんですか!』

「そんなひ弱な足してっから骨折なんかするんでィ」

『労りは無しですか!?』

思わず蹴り返してやろうかとも考えたが、その時の彼の顔がどこか少し寂しそうで…

「イテッ…」

『お返しです』

その背中を軽く叩くことが精一杯だった
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