第24章 計画は大抵計画通りにはいかない【真選組女中編④】
その後も私は沖田隊長から詫びとして自販機のジュースを奢ってもらい、近くのベンチに2人して腰掛けるが、未だに機嫌の直らない私は沖田隊長に顔を背けたまま無言でそのジュースを飲んでいた
「オイ…まだ怒ってんのかィ?」
『当たり前ですよ!!待ち合わせの場所勘違いされて寒い中長い間待たされた挙句、遅刻魔扱いされたんですから…これで怒らない方がおかしいですよ!』
「…仕方ねェだろィ、一緒に行きゃ済む話をわざわざ遊園地前で待ち合わせしようっつったのはオメーだし…俺ァただ言われた通りに入り口で待ってただけでさァ」
『屯所から一緒に出たんじゃ誰かに見られる可能性があるじゃないですか!それに、沖田隊長がいたのは入り口じゃなくて出口ですから!外から入るから入り口であって中から見た入り口は出口になるんです!!』
私の言葉に沖田隊長は溜息をついて眉間に皺を寄せた
「面倒臭ェな…大体いつも仕事で俺を待たせてるくせにテメーも人の事言えねェだろ」
『な"!いつもじゃありません!3回に1度は定刻通りに行ってますよ!!』
「その3回に1度は誰が起こしてやってると思ってんでィ」
『ぐッ…ぬ』
痛いところを突かれ反論出来ずに顔を歪める私を沖田隊長は呆れたように見つめる
「大体寒い中って言うが…そんな丈の短ェ着物なんか着てっから寒く感じるんでさァ。何浮かれてやがんだ」
『べ、別に浮かれてなんかないです!これは杏子ちゃんがッ!…』
その時、言いかけた口を慌てて両手で塞いだ
「あ?杏子がどうしたんでィ」
『い、いえ…何でもないです!』
危ない…
任務のこと杏子ちゃんに言ったってバレたら土方さんになんて言われるか…。
冷や汗を掻きながら苦笑いを浮かべる私を沖田隊長は不審な目で見つめる