第24章 計画は大抵計画通りにはいかない【真選組女中編④】
「ええええ!!沖田さんとデートぉぉおお!?」
『しーっ!声が大き過ぎるよ!』
その後、事の全てを杏子ちゃんに話すと案の定彼女が大声で叫んだ為、私は慌てて彼女の口を手で塞いだ
「すみません、ちょっとびっくりしちゃって…でもおめでとう御座います!!良かったですね!」
『いや人の話聞いてた!?何もおめでたくないし良くないの!今朝副長から呼び出しがあっていきなり言われたんだから…』
「でもその任務が成功すれば、また1番隊に戻れるんですよね?だったらデートなんてお易い御用じゃないですか!」
"これで女中生活ともおさらばですねー!"と言って笑う杏子ちゃん
『でも相手は沖田隊長だし…女中になったきっかけの事もあって…なんかまだお互いに気まずいままで私のメンタルがもつかどうか…』
「結衣さん!」
名前を呼ばれ、俯いていた顔を上げると杏子ちゃんは私の両肩を勢いよく掴んだ
「どのみち引き受けたんならもう後戻りは出来ないんですから、ここは覚悟決めて潔くデートするしかありませんよ!!」
『う…確かに』
杏子ちゃんの男前な発言に何も言い返す事が出来ず縮こまる私に彼女はニコッと微笑む
「では、さっそくデートのプランを考えましょうか!」
『え…プ、プラン?』
「はい、プランです!どうせデートするなら、とびっきりオシャレにしましょうよ!」
そう言って私の手を取り彼女の部屋に行くように言われる
『え、あの…ていうか高級大福はいいの?』
「何言ってるんですか、そんなのもうどうでもいいですよ〜」
杏子ちゃんは私が手に持っていたチラシを丸め、あっさりとゴミ箱に捨てた
『切り替え早!!』
「女心は変わりやすいんですっ!」
私の腕を引っ張りながら嬉しそうに前を歩く杏子ちゃんを見つめる
…やっぱり女の子だなぁ。