第24章 計画は大抵計画通りにはいかない【真選組女中編④】
その後副長室を出た私は1人縁側に腰掛け、ボーッと庭を眺めていた
『…なんか…拍子抜けだなぁ』
正体隠してすまいるにいたこと…怒られると思ったのに副長は知らないみたいだった。
でも私を屯所まで運んでくれたのはきっと沖田隊長だし、そう考えると…やっぱり沖田隊長は知ってて敢えて何も言わないでくれてたのかな。
任務の件も…てっきり断られると思ってた。
『いや、それは"任務"だから…か』
例え不満があっても任務に私情を挟むなんてあってはならない事で、沖田隊長はそれをちゃんと割り切ってるんだ。
それに比べて私は…
- 何で私と沖田隊長なんですか! -
『はぁ…情けない』
「結衣さーん!!」
体育座りになって顔をうずめていると縁側の突き当たりから杏子ちゃんが嬉しそうにこちらへ駆け寄って来る姿が見えた
『杏子ちゃん…どうしたの?』
「もぅ探しましたよ!実は結衣さんに耳寄りな情報があってですね、それを持ってきたんです!」
そう言って杏子ちゃんは手に持っていたあるチラシを私に手渡した
『"本日限定、先着100名様に高級大福…無料…"?』
「はい!屯所の近くにある甘味処の高級大福なんですけど、結衣さんなら絶対に行くと思ったので…無料らしいですし良ければ今から一緒にどうですか??」
『あー…えっと、ありがとう。でも今日はいいかな』
「ぇえ!どうしてですか!?女中の仕事とかですか?」
『いや、今日はオフなんだけど…』
「だったら行きましょうよ!いつもの結衣さんなら、こういうのは例え雨が降っても槍が降っても行くじゃないですか」
いやどんだけ食い意地張ってるんだ私は!!
『うん…でも今日は何かあんまり食欲無くて…甘いものも今は気分じゃないっていうか…』
私の言葉に杏子ちゃんは目を丸くして隣に腰掛けた
「…何かあったんですか?」
『うん…その、何ていうか…』
言葉を詰まらせていると杏子ちゃんは勢いよく私の両手を掴み言った
「何でも話して下さい、私で良ければ力になりますから!」
『う、うん…ありがとう。
えっと、じ…実はね…』